2012年3月 SVIFと九州大学QREP学生との合同討論会

SVIFと九州大学QREP学生との合同討論会

テーマ: パネルディスカッション

「大企業とベンチャー企業の選択 - 日本の大企業中心主義は変えられるか」

講演概要:

日本はご存知のとおりまだ大企業中心主義の国のようです。大企業は長い間日本国を支えてきており、日本の教育システムも皆 それに合わせて出来上がってきたように思います。ところが今グローバル化の波にさらされ、それに加えて東日本大震災の影響で、価値観の違いやパラダイムの 変化が起こっております。人々の意識やビジネスのやり方など多くのものが変わろうとしています。今や大企業の力だけでは日本国が支えられなくなっているよ うに見受けられます。日本国のあらゆる人々や組織が新しい世界の中で工夫を凝らして新しいパラダイムを作っていかねばならないところに来ているようです。 ベンチャー会社のようなイノベーティブで動きの早い組織で日本を活性化することも今や重要な時期に来ているように思います。

一方で、米国では1980年代よりベンチャー会社がイノベーションを担うようになり、シリコンバレーで前例のないイノベーションが開花し、米国や世界に 活気をもたらし、世の中を大きく変え、それが現在に至るまで継続しております。ベンチャー会社がイノベーションを起こし、それを大企業が買収することで大 企業の中にイノベーションを取り入れるシステムも定着してきています。日本ではまだこういう動きは希薄だと思います。

学生は就職に関してこの問題に直面するわけですが、一般にはまだまだ大企業志向が強く、そのために大企業には人材が集まるが、社員に十分力を発揮する チャンスが与えられないで、能力が無駄にされている傾向があります。一方ベンチャー会社や中小企業には高度な人材が集まらず、思ったほど実績が伸びないと いう傾向も見られるのが日本の現状のような気がします。

この討論会では、大企業とベンチャーの違いや、将来性に関しての見通しを議論し、どうしたら日本にベンチャーが育つかなどについて議論していただく趣向で す。4人のパネリストの皆さんには、シリコンバレーの住民として、それぞれのご経験を通して各自の思いを日本の学生に伝えていただきました。

講師は大企業に勤めたことがある人、ベンチャーをやっている人、両方で働いたことがある人、の方がたで、パネルディスカッション形式で行いました。講師は以下の4人の方です。

加藤晴洋さん(SVIF会長、NECから今はVCをやっている)、

米田達郎さん(エクソンからアクセンチュア、今はベンチャー創業メンバー)、

小野伸治(大企業派、元NTTアメリカ副社長・元ドコモUSA社長及び元ATTワイヤレス(現ATT Mobility)取締役兼務)、

森敬太さん(キリンビールから今はバイオベンチャーSanBioの創設者)

司会: 松尾正人 (日本の化学系大企業米国駐在員から九州大学カリフォルニアオフィス所長)

議事録は添付ファイルをご覧ください。

日時:2012年3月5日(月)

会場:Mariani's Hotel and Restaurant

SVIF March 5.doc