2019年3月 定例講演

講演題目: 「シリコンバレーから日本と世界を考える」

今回は、NEDOシリコンバレー事務所の亀山所長、JETROサンフランシスコ兼世界経済フォーラム第4次産業革命センターの下田次長、在サンフランシスコ総領事館経済班長の三浦領事にご登壇いただき、ベイエリアを拠点にした各々の活動についてご紹介頂きました。

●亀山所長からは、エネルギー分野における日本企業の技術導入を促進するための米国西部における国際実証事業や日本のスタートアップ企業の国際展開支援プログラム、日本企業とスタートアップ企業のオープンイノベーションを促進するためのプログラムなどについて現状の取組やそこから得られる示唆などをご紹介頂きました。

●下田次長からは、AIや自動運転などの技術のスピードに遅れがちな政府、既存事業の枠から抜け出せない企業本社、リスクを取ることができない日本の商慣習といったイノベーションを進める上で皆が感じている課題に、外部組織の力を使ってどのように経営層や現場の意識を変えていこうとしているかなどについてお話頂きました。

●三浦領事からは、ベイエリアの日本コミュニティの中核である総領事館がどのようにコミュニティの拡大に貢献し、日本のプレゼンス強化に取り組んでいるか、1月に新体制が立ち上がったカリフォルニア州政府とどのような議論を行っているかなどについてご紹介頂きました。

パネルディスカッションでは、オープンイノベーション、雇用制度や産学連携などシリコンバレーから見える日本経済の課題と対応、役所や多くの企業がAIやIoTなど急速な技術やビジネスの進展についていけていない状況への対応、シリコンバレーの活用方法、日本政府の取組は企業のシリコンバレーでのビジネス活動にどのように役立つのか、といった会場の疑問に合わせた議論が展開されました。

開催日時: 2019年3月29日(金)

講師略歴:

NEDOシリコンバレー事務所 所長

亀山 慎之介(かめやま しんのすけ)氏

1999年、東京大学経済学部卒業、通商産業省(現経済産業省)入省。通商政策、経済協力政策、資源燃料政策、サービス産業政策、特許政策、中小企業政策、地域経済活性化政策などに携わる。2008年から2011年には在シンガポール日本国大使館に出向し、日本企業のアジア展開支援等に取り組む。2016年より現職。

JETROサンフランシスコ事務所 次長(兼 世界経済フォーラム第4次産業革命センター フェロー)

下田 裕和(しもだ ひろかず)氏

1999年、東京工業大学工学部卒業、通商産業省(現経済産業省)入省。IT、バイオテクノロジー、再生医療、ヘルスケア等のイノベーション産業推進を担当。また、製品安全、サイバーセキュリティ、産業保安、防衛装備品調達等の安全保障、安全・安心分野での政策の企画立案も担当。2016年より現職、2017年より世界経済フォーラム兼務。

在サンフランシスコ日本国総領事館 領事(経済班長)

三浦 健司(みうら けんじ)

2007年、東京大学経済学部卒業、経済産業省入省。通商政策、環境政策、自動車産業政策、震災後の福島復興対応、資源・エネルギー政策などに携わり、成長戦略やエネルギー基本計画の策定、エネルギー関連法案作成業務に従事。2015年南カリフォルニア大学MBA取得。2018年より現職。

パネルセッション モデレーター略歴:

デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社 シリコンバレー事務所 Managing Director

木村 将之(きむら まさゆき)

2007年、有限責任監査法人トーマツ入社、IPO監査やコンサルティングに従事。2010年、デロイトトーマツベンチャーサポートの第2創業に参画、160名体制への拡大を成功させる。2015年より、シリコンバレー事務所を開設し、シリコンバレーのエコシステムを活用した日系大企業とスタートアップの協業を促進。現地では、自動車関連企業、保険会社、製造業などを中心にスタートアップとの協業プロジェクトを推進。AIConference2019-2017, Wearable Expo2017, Canada-Japan Futures Forum2016, CEATEC2015などのカンファレンスでの登壇多数。一橋大学商学部卒。一橋大学院商学研究科修士卒。

***3月例会のパネルディスカッションの一部がさくらラジオで紹介されました***

iTunes Podcastでもアーカイブをお聞きになれます:「パシフィックかわら版 (福野理恵) 2019年4月8日