2020年9月 西川氏・森下氏・植野氏

演題:「コーポレートベンチャリング」を考える

企業のイノベーション力を高めるための1つの手法として、「オープンイノベーション」のコンセプトが初めて提唱されたのは2000年台前半のことですが、次世代産業を生みだすエコシステムとしてのオープンイノベーションへの注目は、今日も変わらずグローバルな高まりを見せています。実際のオープンイノベーションへの取り組み方や推進方法は各企業や組織によりさまざまですが、そのなかでも特に外部の資本や開発技術力をどのように有効活用していくかという点は、時として事業の成功に大きな影響を及ぼす一要素といえます。

CVC(Corporate Venture Capital)も2000年以降、オープンイノーベーションへの取り組みの一環として幾度も注目を浴びてきた企業活動の一つですが、実際には日本での成功事例はまだ続出するには至っていないというのが現状です。VCやM&Aとはまた異なるこの投資形態について、これからオープンイノベーションの推進を目指す日本企業がどのように理解し、自社活動への取り込みを検討していくべきなのか。昨今の「シリコンバレー活用」のトレンドに流されない企業投資への取り組み方について、既にシリコンバレーを中心に企業投資活動を展開されている代表的な日系企業の皆様を講師にお招きし、経験談に基づく見識や現在の取り組み、今後の見通しについてお話を伺いました。

【開催日時】 2020年9月25日(金) 17:00-19:00pm (米国西海岸時間)

2020年9月26日(土) 9:00-11:00am (日本時間)

【講師】

西川 孝司氏 Panasonic Ventures LLC (PVL), Vice President

<略歴>

1966年大阪府生まれ。1992年東京工業大学大学院有機材料工学専攻を修了し、同年松下電器産業(現パナソニック)に入社。

本社R&D部門半導体研究センターにて化合物半導体の研究開発に従事。2006年10月に本社R&D傘下の戦略企画部門に移り戦略的ベンチャー投資に従事。2008年9月米国西海岸で現地メンバーとともに新規技術・新規ビジネスモデルの調達を目的に出資およびオープンイノベーション活動に取り組む。2012年に帰国し、一旦出資活動から離れて社内技術の社外展開を行う活動に取り組んだ後、再び2017年より米国に赴任しベンチャー投資活動に参画し現在に至る。但し今回は直近の技術・ビジネスモデルの調達を目的とした戦略的投資では無く、キャッシュリターンを唯一のKPIとしてベンチャー投資を行う事を主としており、それによりコーポレート部門として既存の事業にとらわれない次の事業立地、産業立地の発見を目的としている。

森下 隆氏 Asahi Kasei America, General Manager, Corporate Venture Capital

<略歴>

2008年、旭化成コーポレートベンチャーキャピタルを設立し、ゼネラルマネジャーに就任。

これまで欧米の25社以上のベンチャー企業に投資し、2社を買収 投資先企業の取締役としてベンチャー企業の経営参画や上場、資産売却など、ベンチャー投資関連実務およびベンチャー企業との戦略的提携を用いた新規事業開発に15年以上の経験あり。東京工業大学で化学工学の修士号、博士号を取得。

植野 正俊氏 Komatsu America, Managing Director

<略歴>

1965年兵庫県生まれ。京都大学工学研究科冶金学専攻科修了、日本長期信用銀行に入社。1997−1999インドネシア駐在。2000年日系ベンチャーキャピタル参画、2005年に同社投資担当者としてシリコンバレー移住、以後、事業会社とスタートアップ連携の成功モデル探索を継続、2011年から2019年までAGCにて、その後コマツにてスタートアップ連携を担当。シリコンバレーで投資/事業開発担当者の横のつながりの場を運営。

自称「関西系カリフォルニア人」。私生活ではCFO(Chief Food Officer)として 家庭内の食全般を担当。

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